私の所見

2015年10月21日 (水)

当社のバリアフリー

当社のモデルハウスに来られるお客様は、みなさんが「バリアフリー」という言葉をご存じです。そして共通して「段差のない床や階段の手すりのこと」と理解されています。辞書で「バリアフリー」を調べると、確かに「障害者や高齢者の生活に不便な障害を取り除こうという考え方。道や床の段差をなくしたり、階段の代わりにゆるやかな坂道をつくる」となっています。

そもそも「バリア」とは障壁、防壁、障害物という意味です。「フリー」はそれらがない、つまり「バリアがない」と理解できます。実は当社では段差の他に、もっと大事な「バリアフリー」の考え方をしています。

ひとつは「温度のバリアフリー」です。これまでの家は、冬なら暖かくする部屋としない部分に分かれています。玄関や廊下を暖房している家はほとんどありません。最近では、トイレや脱衣場に暖房を付ける方がたまにおられます。当社の家は外回りすべてを断熱構造にしていますので、家の中はどの場所も温度が一定です。部屋のドアを閉めていても、温度は均質になる構造にしてあります。家の温度をバリアフリー化することで、ヒートショックという病気を未然に防止することができます。

そして私が最も大切にしたいのは、「コミュニケーションのバリアフリー」です。当社のお客様に「家を新築して一番よかったことは、自分の両親と子供のコミュニケーションがとても増えたことです」というお話を伺いました。夏でも冬でも家の温度が均質なので、ほとんどの方は普段ドアを開け放しています。ですから子供さんが学校から帰って来ると、おじいちゃんやおばあちゃんは声をかけますし、そこからいろんな会話が始まります。それで「家族が一段と仲良くなった。子供がテレビをみる時間も少なくなった」ということも話されていました。

温度のバリアフリーによってコミュニケーションのバリアフリーが生まれるって素晴らしいことですよね。身体の健康と心の健康・・・これが本当の「健康住宅」と言えると思うのですがいかがでしょうか?

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2015年8月31日 (月)

圧倒的ビジョン

今日は8月の最終日、明日から9月です。金沢は昨日まで雨が降り続いていました。これからひと雨ごとに涼しくなっていきます。とても楽しみです。

以前から私は「あるもの」を探していました。それは湯ノ口講師が言われる「圧倒的ビジョン」、芳村思風先生が言われる「命を賭けても惜しくないほどの対象」でした。探し始めてちょうど6年・・・実は今月、ようやくそれが見つかりました。もちろん仕事のことであり経営者としてのビジョンです。

湯ノ口講師は次のように言われます。「答えが大事なのではなく、何を目指すか?が大事なのだ。何を目指すのかによって答えも違ってくる。さらに目指すものによって、準備も日常の行動もすべて変わる。富士山に登るのか?エベレストを目指すのか?によって大きく違ってくる」と。

まだ社員さんにも話してないことなので、具体的に書けないことをお許しください。ただ今思うことは、経営理念にしても経営ビジョンにしても「簡単には見つからない」ということです。58年の人生の中で、心の奥底にあった芽が、ようやく表に出てきた感じがします。

10月1日の創立記念式典にて全社員に発表します。そこで、どれだけの共感を得られるかが最大の課題です。1カ月後のことですが、今からワクワクしています。

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2013年10月22日 (火)

言葉の定義

経営理念を浸透させていく中でつまずいたことがあります。話をして思いが通じる人と、あまり伝わらない人がいたことです。それには理由がありました。言葉に対する認識やとらえ方が、人によって様々だったからでした。例えば「仕事」という言葉ひとつとっても、義務に感じている人から、強い使命感を持った人まで、まさに千差万別でした。そこで社内での見方を統一するために、半年かけて「言葉の定義」をつくった訳です。

今はまだ18個です。具体的には「プロとは」、「仕事とは」、「会社とは」、「経営とは」、「社長とは」、「管理者とは」、「売上とは。利益とは」、「最強の組織とは」、「チームワークとは」、「愛社精神とは」、「ありがとう経営とは」、「健全な価値観とは」、「当社の品質基準」、「心とは。命とは。生きるとは」、「素直な心」、「5Sの定義」、「コミュニケーションの目的」、「リーダーシップ・3つの力」・・・などです。

まずこれらの定義を「経営理念集」に載せて、考え方と価値観の統一を図っていきたいと思います。また少しずつ言葉を増やしながら、さらに経営理念が浸透するように努めていきます。

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2013年10月21日 (月)

難しいことこそ簡単に!

若い頃にこんな話を聞いたことがあります。「仕事ができる人は難しいことを簡単に考える。仕事ができない人ほど簡単なことを難しく考える」と。またこんな話も聞きました。「話が上手な人というのは、小学校4年生にわかる言葉で話ができる人。難しい言葉を使う人は上手な話し手ではない」と。

経営理念を社員さんに発表して2年足らず・・・その念いを伝えることにかなり苦労してきました。文章を説明すると言葉は理解してくれます。しかし大事なことは、相手に“念いが伝わる”ことです。もうひとつ言えば、“念い”が相手の“心に響く”ことなのです。これは本当に難しいことでした。

このように苦労してきて今思うこと・・・それは「難しいことをできるだけ単純に考えて整理する。そして伝えるときはさらに簡単に話す」ということです。高い次元のことを一般の次元に下ろしたり、できるだけ易しい言葉を使うなど、これらを習慣にするといいと考えたのですがいかがでしょうか?

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2013年10月20日 (日)

経営ビジョンについて

会社経営において、「経営理念」と並び大切なものが「経営ビジョン」だと言われます。当社にも2つのビジョンがあります。ひとつは「広がり続ける幸せのネットワーク」、もうひとつは「日本一笑顔の溢れる会社になります!」というものです。ただこのビジョンが「鮮明な映像になるか?」と言われると、まだまだ具体性に欠けると感じています。そこでこの3年間、ずっと具体的なものを探してきました。しかしながら簡単に見つかるものではありません。本当に難しいものです。

今年の4月1日の集会において、全社員が8グループに分かれて「当社の10年後の姿」を創ってもらいました。そのときに出たものが、「クロダ保育園、クロダビレッジ、クロダファーム、クロダテーマパーク」などでした。いつ考えても、魅力的なものばかりだと感心させられます。3人寄れば文殊の知恵・・・みんなの創意は無限に広がる気がします。

私が社長になって3年経った頃には、10年後の目標がありました。それは売上や会社の規模を示したものでした。最近になって思うのですが、果たしてこの目標は「経営ビジョン」と言えるかどうか、ややもすると「経営者のエゴ」になっていないでしょうか。やはり会社のビジョンというものは、全社員共通の夢やロマンが必要だと思うのです。そのために「みんなの幸せにつながるもの」「世の中に広く役に立つこと」でなければならないと考えています。来年の4月1日も、みんなで「自社の未来像」を描きたいと思います。

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2013年10月17日 (木)

健全な価値観

「健全な価値観」という言葉を普通に使いますが、さて・・・改めて調べてみました。そしていくつかの資料から見つけたものを、自分なりに絞ってみましたがいかがでしょうか?

1.良心から湧き出るもの
2.広く社会全体に肯定されるもの
3.調和がとれているもの

人間が本来持っている“良心”、人間だけが持っている“美しい心”というものは、時代や国を超えて受け入れられるものです。ただし「度が過ぎる」とよくないので、場所に応じて「バランスをとる」ことも押さえています。

松下幸之助氏は「世間は正しい」という言葉を残されています。会社も小さな世間、地域も世間です。健全な自分自身をつくり、健全な集団となって、地域から愛され続ける会社を目指します。

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2013年10月 9日 (水)

泥中の華

私の大好きなイタリアンレストラン、その壁の片隅に「泥中の華」と書いた額が掛けられています。「これはおそらく蓮根の花、つまり蓮の花のことだろう」と私は解釈しました。そしてこれを見るたびに「松下幸之助氏の言葉」を思い出すのです。

氏の愛弟子である木野親之氏からお聴きした話です。幸之助は「蓮根を見よ。泥の中に根を生やしながらも、池の上には花の中で最も美しい“蓮の花”を咲かせるのだ。確かにこの人間社会はドロドロしている。その中で商売をしている松下電器だが、蓮根のようにキラリと光る美しい花を咲かせたい。それこそが松下電器の理想である」といつも話されていたそうです。

4年前に書きましたが、斎藤一人氏の「孔雀明王の話」もこれに似ています。「孔雀は、さそりや毒蜘蛛、毒蛇などを食べて生きてるけれど、決してその毒にあたったりはしない。それでいて鳥の中で最も美しい姿をしている。人間においても、どんなに悩みや苦しみを抱えていても、絶対に外には出さない、いつも幸せそうにしている、まわりには幸せな言葉だけを使う・・・つまりそれが徳を積むということ、孔雀明王の修行である」

56年の人生・・・いろんな環境の中で生きてきました。たくさんの人に出会ってきました。もちろんいいこと、素晴らしいことばかりではなかったです。まさに幸之助氏が言われるドロドロした人間社会です。そんな中に生きていても「毒に侵されない自分でいたい、当社クロダハウスも真っ直ぐで誠実な会社でありたい」とよく考えます。

現在、経営理念が完成に向かっています。期待できる中期経営計画も出来つつあります。残るは“蓮の花”である「未来ビジョン」の構築です。全社員が誇れるもの、勇気が湧くもの、希望に満ち溢れるもの・・・全員の声を聴きながら創り上げていきたいと思います。

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2013年7月15日 (月)

学ぶ幸せ

論語の中に「学びて然る後に足らざるを知り、教えて後に究めざるを知る」という1節があります。最近の私自身は、「学びて己の足らざるを知り、行いて己の至らざるを知る」と感じています。

今年に入って本を読む量が増えました。仕事や研修においても新たな学びがたくさんあります。また会社で社長業をしているとき、あるいは勉強会などで教える立場にあるとき、思っていることができなかったりします。そしてその都度、「まだ知らないことばかり・・・」とか「まだまだできていない」ということを思い知らされます。

そんなときは一時的に落ち込んだりしますが、気を取り直して「もう一度頑張ろう!」と自分を奮い立たせます。しかし客観的に考えてみると、「これって素晴らしいことでは??」と思う訳です。新たな学び、新たな体験、新たな出会い、そのおかげで自分の位置がわかり、さらなる成長にもつながるからです。

自分自身の成長の実感は、とても「幸せ」を感じるものです。「学び」→「成長」→「幸せ」・・・ずっと学び続けること自体、実は幸せなことだったんですね。それらの時間をもっと大切にしたいと思います。

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2013年6月25日 (火)

本物の謙虚さ

世の中には、「褒められ上手」の人と「褒められ下手」の人がいるように思います。例えばある方を褒めた場合、褒められ上手な人は「ありがとうございます」と素直に笑顔で答えてくれます。反対に「いいえ、そんなことないです」という言葉が返ってくる方もいます。日本では「謙遜が美徳」とされているところがあるので、そのようになるのかもしれませんが。

ではどちらが、褒めた人にとって気持ちがいいでしょうか?私の場合は間違いなく、素直に喜んでくれる方です。そのような人は、自己肯定感も高くいたって素直な感じがします。後者の人は、一見謙虚のようにみえますが、ときに自己承認度や自己肯定感が低い場合もあるように感じます。

それでは、本当に謙虚な人はどのように答えるでしょうか?そのような人は、まず物事をありのままに観ます。また何事も素直に受け入れます。もし褒められた場合は、「ありがとうございます。褒めていただいてすごく嬉しいです!」・・・おそらくこのように答えるのではないでしょうか。謙虚な人には、感謝の心、素直さ、明るさ、純粋さ、豊かな感性、笑顔、ひたむきな心などが、いつも溢れているように感じます。ぜひとも『本物の謙虚さ』を身に付けたいと思います。

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2013年6月23日 (日)

私の座右の銘

20年以上も前になりますが、約1年毎日、稲盛和夫氏の講演CDを聴いていました。ある大きな障害を前にして、「果たして自分はどこに向かえばいいのか?」と悩み、その答えを探し求めて、日々数十枚のCDを入れ替わり聴き続けた訳です。

あるCDを聴いたとき、内村鑑三著の「代表的日本人」という本を紹介する話がありました。その中で二宮尊徳翁の話になり、「至誠の感ずるところ、天地もこれがために動く」という言葉が飛び出してきました。「う~ん!“天地も動く”なんてすごいことだ。“至誠の感ずるところ”ではそうなるのか???」と、感動を覚えた次第です。

「至誠」を辞書で調べると「極めて誠実な心」と出てきます。当時の私は、「組織を動かすのは“戦略”や“戦術”ではなく、最終的に“至誠”が人の心を動かすのだ」と理解しました。そしてその後、私が社長になったとき、『至誠』という文字を「自分の心」として、社内数ヶ所に掲げた訳です。

社長になって15年・・・今一度初心に帰り、「誠実」「正直」「勤勉」「努力」「忍耐」といった日本人ならではの「心」を、もう一度大切にしていきたいと思います。

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