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2016年1月28日 (木)

「蒼穹の昴」浅田次郎

今年のお正月は、浅田次郎著の「蒼穹の昴」を読み始めました。そして先週ようやく、その全4巻を読み終えたところです。

小説は中国・清の時代、日本の明治20年頃から十数年間が舞台となっています。かの有名な西太后が長く政治の実権を握ってきました。そんな中で若き光緒帝(11代皇帝)が新たに即位しましたが、実権は相変わらず西太后にありました。当時の清国は、ヨーロッパやロシア、アメリカ、日本などの海外列強諸国の的になっていました。それに対応できうる強い清国を建設しようと、改革派は新皇帝を打ち立てて動き出します。しかし事は簡単に進まず、改革派は西太后の元に倒れていきます。

物語には二人の主人公がいます。ひとりは科挙試験(古くから中国で続いている役人登用試験)に首席で合格し、その後高級官僚の階級をどんどん上っていきました。もうひとりはその義弟であり、貧しい家庭を救うために自ら浄身して宦官となり、最終的に西太后の下に出仕できるほどに上り詰めました。元々義兄弟の二人でしたが、年月の流れの中で改革派と保守派に分かれていったのです。

架空の人物と実在の人物が入り混じった作風ですが、当時の中国が抱えていた問題は事実そのものです。過去に遡っての6代乾隆皇帝とジュゼッペ・カスティリオーネのやりとり、天津の直隷総督府の外交・軍事の最高実力者であった李鴻章が、列強諸国を相手に繰り広げた様などは、とても読み応えがありました。

この小説を読んで強く感じたのは「天命」です。通常であれば光緒帝が即位し、年齢とともにその実権を握り、時代の要請に応じて改革していくはずでした。しかし、時間の流れにつれて多くの人たちの考えが混乱し、最終的に光緒帝は離島に流され幽閉されました。まさに「天」が下した結論としか思えません。正義がいつも民から支持されるとは限らない・・・そんな思いに至りました。

今は続編にあたる「中原の虹」(浅田次郎著)を読み始めたところです。

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2016年1月17日 (日)

畑喜美夫氏講演会

高校サッカー界で話題の「畑喜美夫氏」の講演を聴きました。講演テーマは「打てば響く組織への挑戦~ボトムアップ式指導~」です。

畑氏は小学校2年生からサッカーを始め、高校は静岡県の東海大一高校へ越境入学。高校では静岡県選抜チームで国体2位、Uー17の日本代表にも選ばれました。その後順天堂大学に進学し、2年のときUー20の日本代表、4年は関東選手権、総理大臣杯、インカレの三冠に貢献しました。その後腰の怪我で現役を引退し、広島に戻って高校教諭になり、廿日市西高校を経て1996年に広島観音高校へ赴任し、サッカー部の指導を始めました。そして2005年、チームを全国高等学校サッカー選手権大会に導き、翌年全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会にて初の全国制覇を果たしました。

講演はボトムアップの話から始まりました。畑監督はとにかく自主性を重んじます。「誰もが光るものを持っている。大事なのは指導者(リーダー)であり、指導者はファシリテーターでなければならない。個々人の才能を引き出し、組織の活性化を支援できなければならない」と述べられました。

まずミッション(使命)とビジョン(未来像)を明確にして、全員のベクトルを合わせます。それからは、徹底的に「自分で考え、自分で情報を集め、自分で決断し、自分で行動する」、そんな集団を作り上げていきます。「教えない。自分で考えさせる」教育です。全体を小グループに分け、それぞれにリーダーを置き、彼らに運営を任せます。ただしリーダーはファシリテーターなので独断は許されません。全員の意見を引き出しながら意思決定していくというスタイルです。

そして特に印象深かったのが、徹底した3S(整理・整頓・清掃)でした。「3流のチームは本番に一所懸命やる。2流のチームは本番と練習に一所懸命やる。しかし1流のチームは、本番も練習も日常生活もすべてに一所懸命やる」ということです。日常生活とは、挨拶や整理整頓、ルールやマナーです。整理整頓された状態は、どの写真も美しかったです。

畑氏は最後に「よいチーム(TEAM)とは?」というお話をされました。Tはtogether:みんなが一緒に、Eはeveryone:一人ひとりが、Aはachieves:成し遂げる、Mはmiracle:奇跡・・・「一人ひとりが一緒になってチームになった時にこそ奇跡が起こる!」・・・当社も「奇跡を起こすチームになりたい!」と思いました。

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2016年1月 9日 (土)

2016謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。今年の元旦は北陸ではめずらしく、青空ものぞく穏やかな一日となりました。そこで久しぶりに白山神社の後ろにそびえる獅子吼山に登ってみました。登山口までの道は混んでいましたが、さすがに山は私ひとりでした。体調もよくリズミカルに登ることができました。

さて、昨年は創業70年ということもあって、本当に多くのことがありました。「来年はそれほどではないだろう」と思っていたのですが、いざ方針書を創ってみると、やっぱり何かとあるものですね。社員持株制度、雑貨事業スタート、ミニクロダパーク事業、金沢不動産事業スタート、しあわせ物語の編纂(できれば出版まで)・・・などです。そして、また新たに出てくるものもきっとあるのでしょうね。

今日は仕事をスタートして7日目・・・案の定のっけからフル回転です。来週の経営会議も議題が満載、今年も愉しく面白い一年になりそうです。

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