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2015年8月11日 (火)

「ワン・ワールド」喜多川泰

作品は9編の短編小説ですが、すべての物語がつながっている形がとられています。作者はあとがきで、「人生というものは、実は他人の人生と切り離せない縁でつながっている」と書いておられます。その思いが「ワン・ワールド」というタイトルに込められているそうです。

その中で特に印象的だったのが、「ユニホーム」と「夢の国」でした。少年野球のことを書いた「ユニホーム」は、とても不思議な気持ちにさせてくれます。というのは、世間でよく行われていることなのになぜか嫌悪感を抱いてしまう、非常識と言える行動なのになぜか共感を覚える・・・からです。

それから中国人留学生のことを書いた「夢の国」は、日本と日本人の素晴らしさを改めて気づかせてくれます。「好きだから大事にする」のではなく「大事にするから好きになる」という文章は、まさに「目からうろこ」でした。

他の短編にもそれぞれ深い意味があります。おそらく今の私の私の状態が、先ほどの2編に「強く心を打たれた」ということでしょう。素晴らしい作品でした。

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