「風が強く吹いている」三浦しをん
ある知人に勧められて、今年のお正月は三浦しをんさんの「風が強く吹いている」という小説を読みました。寛政大学という陸上では弱小チームが「箱根駅伝」を目指すという物語です。
木造2階建ての古家アパート「竹青荘」、そこに偶然住みあわせた10人、そのひとりがずっと持ち続けていた「箱根駅伝を走りたい」という想いが、天才ランナーとの出会いによって動き出します。ほとんどのメンバーが陸上の未経験者、しかし半年後には予選会が待っています。最初は誰もが無謀だと思いました。さらに箱根駅伝は10人が10区間タスキを渡していきます。全員で10人なので代わりもいません。そんなギリギリの状況の中で、彼らの思いはひとつになり、最後は全員で夢を勝ち取りました。
これを読んで一番感じたことは「仲間の絆」でした。チームワークのレベルを超えた状態です。「想いをひとつに!心がひとつに!」なることの強さを、この本は訴えていました。そして最後のクライマックス・・・最終走者のゴールシーンで、物語は最高潮に達しました。「走るってなんなのか?そこからすべてがはじまった。今ならその答えがわかる。1秒を争って走るその意味を」
初めて三浦しをんさんの作品を読みました。もしかすると女性作家さんの小説は初めてなのかもしれません。情景の表現力も文章タッチの力強さも、まったく男性作家に負けていません。他にもたくさんの小説を書いておられます。続いて彼女の作品「光」を読み始めたところです。
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