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2014年9月12日 (金)

「最終退行」池井戸潤

「最終退行」・・・変わったタイトルですが、それが「最後に銀行の鍵を閉める」という意味であることを、読んでいくうちに知りました。これまでの本にもあった金融業界を舞台にしたミステリーです。「M資金」・・・太平洋戦争末期に、日本軍が軍部再建のための資金として、巨額の金塊を東京湾に埋めたという謎の宝物・・・そこから物語は始まります。

主人公はエリートコースに入れないながらも、現場を数多く踏んできて、よく仕事ができる銀行員です。小説の前半は彼のまわりで物事が動き、なだらかにストーリーが流れていきます。そして中盤から事件の本質にせまり始め、そこから一気に事態が変化し始めます。その後、状況がどんどん展開される中で、いつの間にか私自身が小説の魔力に取りつかれていました。

終盤はまさにハラハラ・ドキドキの連続です。そして最後の急展開・・・なんとも刺激的な作品でした。もともと推理小説は読まない方ですが、このような経済社会を舞台にした内容ならば話は別ですね。元銀行員だったとはいえ、これほど主題に事欠かない池井戸氏は、やはり天才ではないでしょうか?まことに素晴らしいです!

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2014年9月11日 (木)

「ようこそ、わが家へ」池井戸潤

池井戸潤「ようこそ、わが家へ」・・・幸せを感じるやさしいタイトルですが、それがなんと・・・知らない人物が家でいやがらせを繰り返す内容なのです。

主人公はエリートコースからはずれ、取引先企業に出向している50代の銀行員です。ある日勤務先からの帰りに、順番をついて電車に乗ろうとしたところへ、青年が割り込み若い女性がよろめきました。普段なら見過ごすところを、その日に限って青年を注意したのです。青年はそのことを根に持ってストーカー行為を続けます。ところが物語は意外な方向へと進んでいくのです。

また出向先の会社でも、やり手の管理職の背任行為を見つけ、弱い立場ながらも正義を信じて立ち向かいます。元来真面目だけが取り柄のような主人公ですが、家では家族が、そして会社では部下が彼を支えます。この両方の世界で同時に進んでいくミステリー・・・これまでとは違った感覚でドキドキさせられました。

また池井戸氏の作品の中では、「家族の絆」を描いた小説は珍しいはずです。改めて作者の多様性にも感心させられました。

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2014年9月10日 (水)

9月に入って・・・

ようやく私の大好きな秋に入りました。日中はまだ残暑が残っていますが、夜になると虫の声も響き渡り、涼風が心地よく感じられる今日この頃です。

さて、今月は当社の決算期・・・来期の経営方針書、月末の創立記念日で発表する中期経営計画書と10年ビジョン、そして今年から勉強を始めた繁栄計画書と、慌ただしい日々が続いています。これが8月だったらたまりませんが、過ごしやすい季節に入ったことが幸いです。

このように戦略的思考が続くと、どうしても脳が固まってきます。その固まった脳をやわらかくしてくれるのが、私の場合は小説なのです。読書の秋・・・その後もずっと「池井戸ワールド」に包まれています。

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