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2014年8月 6日 (水)

「空飛ぶタイヤ」池井戸潤

「空飛ぶタイヤ」・・・なんか童話のようなイメージを連想させるタイトルですが、いやいや~まったくそんなことはなく、手に汗絞るドラマの連続・・・といった小説でした。

主人公は、従業員30人ほどの運送会社の2代目社長です。彼の会社の大型トラックが走行中にタイヤがはずれ、それが転がって若い主婦が死亡するという事故が起こりました。そのことにより警察が入り「業務上過失致死罪」に問われていきます。社会的な悪評判も立ち、取引先の減少、経営の悪化、銀行の貸しはがし、大切な社員の退職など、主人公はギリギリのところまで追い詰めらます。さらにその事故で彼の家族まで問題に巻き込まれていきます。

彼は、トラックメーカーの出した「整備不良」という結果に、どうしても納得がいきません。自社の整備に絶対の自信を持っているからです。超大手のメーカーに接触を図っていきますが、なかなか取り合ってくれず、事態はどんどん悪くなっていくばかりです。しかしどれだけ苦境に立たされようが、社員を信じ、家族を信じ、自分を信じて、闘い続けました。その後姿に大きな共感を覚えました。

また彼の周辺以外でも、様々な動きが起こっていきます。当事者メーカーの内部、系列の銀行、マスコミなどなど。そうして最後はメーカーに対し警察が動き、内部告発も起こり、事件の真相がようやく明らかになっていきます。「はびこる“悪”に押され、崖っぷちに立たされながらも、最終的には“正義”が勝つ!」という物語です。

4冊の小説を読んでの感想です。「下町ロケット」は100人の中小部品メーカー、「ルーズヴェルト・ゲーム」は500人の中堅部品メーカー、「鉄の骨」も中堅建設会社、そして「空飛ぶタイヤ」は零細運送会社が舞台ですが、その中で共通したものを感じました。それは「コンプライアンス」「正直な仕事」「愛社精神」「任務に対する使命感」といったものです。現在当社が直面していることや目指しているものが、これらの作品とずいぶん重なってみえました。中小企業の経営者にはぜひ読んでほしい本です。

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