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2014年7月25日 (金)

「ルーズヴェルト・ゲーム」池井戸潤

池井戸潤シリーズ第2弾・・・「下町ロケット」に続いて「ルーズヴェルト・ゲーム」を読みました。「ルーズヴェルト・ゲーム」というのは、元アメリカ大統領のフランクリン・ルーズヴェルト氏が「最も面白いゲーム」と言ったもので、「8対7で勝利する」試合だそうです。日本のことわざにある“七転び八起き”ともニュアンスが似ていますね。

物語の舞台は中堅電子部品メーカーの青島製作所・・・「下町ロケット」と同じように、大手のライバル企業と銀行に苦しめられていきます。このライバル同士がそれぞれ野球の社会人チームを持っており、野球と仕事の両面で闘いを繰り広げていきます。最初は圧倒的に劣勢だった青島製作所が徐々に力を盛り返し、最後は全社員のチームワークで相手を打ち負かす・・・今回も「フォロワーシップ」の醍醐味を見させていただきました。本当に読み進むほど、ワクワク・ドキドキが高まる小説でした。

本の中で経営者たちが素晴らしい言葉を述べています。いくつか紹介したいと思います。

青島会長:「この工場が作っているのは、カネ儲けのための製品だけじゃない。働く者たちの人生であり夢だ。今この会社の社員として、働くことに夢があるだろうか。彼らに夢や幸せを与えてやるのも、また経営者の仕事だと思うんだが・・・」

細川社長:「青島製作所の経営が7対0の劣勢なら、8点取ればいいじゃないか。自分を信じて、社員を信じて、その先にある勝利の歓喜を信じて・・・」

笹井専務:「青島製作所は楽しく愉快な会社です。ノルマでがんじがらめにしてミツワ電器のようになるのは簡単だ。しかし自由気ままでいながら、技術の冴え渡る青島製作所になるのは難しい。私はこの会社の社員であることを誇りに思う・・・」

経営者たちはいつもギリギリのところで生きています。どんどん追い詰められて、崖っぷちのところで出る健全な言葉はまさに感動ものです。当社もこんな会社を目指したいと思いました。

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2014年7月21日 (月)

「芳村思風先生」勉強会

先週末、哲学者の芳村思風氏の勉強会が金沢で開催されました。テーマは「職業観」・・・4時間半たっぷり聴かせていただきました。まず社会における職業の位置付けは、「人を幸せにすることによって自分も幸せなること。世の中に役に立たない職業はない」ということでした。その時の内容を以下に列記させていただきます。

<働く意識の段階>
第1段階:生きていくために働く
第2段階:人の役に立つ仕事がする
第3段階:自分の好きな仕事をする
第4段階:自分の天分(天命)を生かして働く

「すべての人は生まれながらにして秀でた能力を持っている。最高の自己実現は“自分の天分”を知ることである。なぜなら“命をかける対象”に出会ったときこそ、命が激しく美しく燃え上がるのだ」

「命は大事だが“命が一番”となると、逆に感動的な人生は送れない。対象に命をかけるからこそ命が完全燃焼する。自分の仕事の値打ち、素晴らしさを知ろう。仕事の価値はその人の意識で決まる。仕事の素晴らしさを一番知っている人が『プロ』と言える。『さすが!』と言われないような半端なままで仕事していては意味がない。『さすが!プロ!』と言われ、『これぐらいお金をもらって当然だ』と言えるところにプロの誇りがある」

<天分を見つける方法>
1.やってみたら好きになるかどうか?
2.やってみたら興味や関心が湧くかどうか?
3.やってみたら得意だと思えるかどうか?
4.他人と一緒にやったら他人より優れているか?
5.真剣に取り組んだら問題意識が湧いてくるか?
(先生はお話されませんでしたが、3つ以上当てはまるかどうか・・・)

「人は何のために生まれてきたのか?:それは歴史をつくるためである。仕事をするとは?:その仕事に新しい歴史をつくること。つまり変化をつくることだ。『時流独創』・・・『勇気ある挑戦・みんなの協力』そんな社風をつくっていくことだ。どうせ働くなら命を燃やそう」

「資本主義経済では、人間が経済のために働いてきた。これからは人格主義経済、人間が幸せになるために経済がある。では何のために働くのか?:金のためではない。自分が本物の人間になる、社会の役に立つ能力と人間性を身に付けるためだ。ではなぜ経済活動をするのか?:社会の恐ろしさ、醜さ、素晴らしさを経験するためである。弱肉強食の世の中で命をかけて働く。命に痛みを感じる体験そのものが本物の実力をつけてくれる」

「職業こそ人生最大の道場である。一番大事なことは“問題を恐れない”こと。人間は不完全だから必ず問題がある。“問題がない”というのはおかしい。あるのに見えてないだけだ。問題があるからこそ、人も会社も成長する。“いかによくしていくか?”それが健全な生き方なのである。ただし問題は小さなうちに発見して手を打つこと。『早期発見・早期解決』である。大きな問題が起こると“あきらめ”が出そうになる。しかしあきらめてはいけない。“答え”は必ずある。本気になって取り組めば、宇宙とつなって、潜在能力からとんでもない力が出るものだ。遺伝子の中に38億年の命の歴史があるのだ」

「“最高の満足を与えると最大の信頼を得る”・・・相手を最高に満足させよう。最大の信頼はすごい宝物である。まさに仕事こそ最高の社会貢献である。人は誰もが認めてほしい、わかってほしい、褒めてほしい、好きになってほしい、信じてほしい、許してほしい、待ってほしい。どんなに正しくとも、人間関係をこわしては悪になる。人間的な人間になること。人を好きになれないのは自分に問題がある。『いつも目に愛の力を!』、愛ある目が組織の実力である。『もっと幸せになりたい!』・・・最後は祈りの精神だ」

最後までお読みいただいてありがとうございます。思風先生は「科学は真実を追求するもの。哲学は人間の幸せを追及するもの」と言っておられます。「人間として最も大事なことは何か?」・・・今回もその一端を聞かせていただいたように思いますが、みなさんはいかがだったでしょうか?

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2014年7月16日 (水)

「健康住宅・畑中直氏」講演会

先週土曜日石川経営研究会の例会で、「健康住宅」の社長、畑中直(すなお)さんにご講演をいただきました。健康住宅さんは福岡市で「外断熱工法の家」を販売施工する会社です。家のコンセプトは「夏はひんやり冬はポカポカ」・・・高性能な住宅を建てておられます。現在では年間80棟あまりを施工、完成物件は16年間で1000棟に上るそうです。

会社の特徴は「紹介受注が45%、離職率が非常に低い、工事現場がとてもきれい・・・」などです。企業スローガンは「グッドカンパニー・ウイズ・グッドピープル、日本一“ありがとう”を集める会社を目指す」です。その名の通り、きっと多くのファンが集まっているのでしょう。

印象的だったのは、パートナーさん(職人さん)の「マナーアップ研修」、多くの社員さんで祝う「着工式と上棟式」、そして「お客さまの家づくり映像」のプレゼントでした。また毎週行われる「社長研修」と「社内バーベキュー」、毎月の「現場パトロール」、年に一度開催される「お客さま感謝祭イベント」などが、社員さん全員参加で行われるとのことでした。

社長さんは最後に次のように話されました。「私の方針は“TPP・・・徹底的にパクる”です。聞こえは悪いかのしれませんが、要は他社のいいところを真似しているのです。ただし“徹底的に”です。そして真似が本物になるまで追求します。いつのまにかそれらがオリジナルになるはずです」と。

お客さまから喜ばれ、社員さんから喜ばれ、そして職人さんからも喜ばれ・・・それだけでも十分素晴らしい会社です。将来ビジョンは「ご紹介受注100%の愛される企業」だそうです。夢みたいな目標ですが、逆に正直な畑中社長さんらしいと感じました。

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2014年7月10日 (木)

コミュニケーションリーダー研修

2年前に受講した「コミュニケーションリーダー研修」をもう一度再受講しています。先週全5回コースの第1講が終わりました。やはり2度目は内容がより理解できるものです。そのときの学びを列記したいと思います。

「常に健全な心でいよう。そして健全な社風をつくろう。会社の健全度は業績に現れる。健全な社風の中に共感と使命感をもって行えば、指示命令で動く場合の4倍以上の成果が出る」

「世の中には必ず陰と陽がある。プラスがあればマイナスがある。すべて表裏一体。例えば、人がどんどん減っている地域がある。すると際立つものが出てくる。自分の会社を際立たせ、いかに豊かな地域にしていくか?・・・同じように、やめる事業や商品があるからこそ、残った事業が際立ってくる。輝きも増してくる。そのようにして、自社の強みを生かし明るい未来を創ること」

「みんなでフロー(流れ)を起こそう。鳥は上昇気流に乗って舞い上がる。そうして高度が上がるとそこにはジェット気流が流れている。その気流に乗って一気に進むのである。成功している企業は、必ずこのような発展の仕方をしている」

以上をまとめると、まずは健全な環境をつくる。そして起こることのいいところに目を向けていく。フローはさしずめひとりひとりの情熱でしょうか?理想を目指し続けるエネルギーがあるとき大きなパワーとなって、そのとき一気に成長する・・・といったことでしょうか?日々、思いを積み重ねていきたいと思います。

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2014年7月 9日 (水)

「下町ロケット」池井戸潤

テレビでおなじみ「半沢直樹」の原作者・池井戸潤氏、氏が2011年に直木賞を受賞された作品「下町ロケット」を読みました。評判通り素晴らしい作品でした。

小説は東京都大田区にある町工場「佃製作所」の物語です。主人公の佃社長は、大学でロケットエンジンの開発を研究していましたが、父親の死と共に父が経営していた佃製作所を引き継ぎました。その後は持ち前の技術力を生かして業績を伸ばしていきました。そんな中で得意先の大会社から受注を止められ、同時にライバルの大手企業から裁判に訴えられ、経営の崖っぷちに立たされました。しかしその戦いの中で打った手が逆に功を奏し、ロケット事業を目指すある超大手企業にとって、なくてはならない存在になっていきました。

小説の中で繰り広げられる様々な人間模様・・・会社対会社、会社と金融機関、経営者と社員、上司と部下、父親と子供などの関係が、実に人間臭く描かれています。特に裁判でのやり取りの生々しさ、さらにその後の進展の様子が妙に私の体験と重なり、まるで自分事のようにハマっていきました。

佃製作所が持っているある固有技術が、ロケットエンジンの要になるものでした。その製品化をめぐって、様々な反発や邪魔、ときには助け合いが入り混じりました。リーダーシップとフォロワーシップ・・・当初は少数だったフォロワーが少しずつ増えていき、最後は全員の心がひとつになったところで物語が終わります。エピローグの「ロケット打ち上げシーン」は本当に感動ものでした。

「会社とは何か?、何のために仕事をするのか?、そして人生をどう生きるのか?」・・・佃社長の生きざまに触れながら、私自身も多くのことを考えさせられました。池井戸潤氏は他にもたくさんの作品を出されています。次は「ルーズヴェルト・ゲーム」を読みたいと思います。

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