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2013年11月19日 (火)

「プリズム」百田尚樹

「影法師」に続いて「プリズム」を読みました。もうかなり「百田中毒」にかかっています!^^;

時代小説から一変し、今度は現代版のミステリー小説でした。主人公の聡子は家庭教師として、東京の成城の、ある大邸宅に派遣されます。そこで小学5年生の子供を教えますが、その立派な屋敷でひとりの青年に出会います。青年の名前は広志、その家の主(あるじ)の弟で、精神病のため無職でひとり「離れ」に住んでいました。

その家の人たちは彼のことに触れなかったのですが、広志の方から何度も聡子に近づきます。そして彼が「解離性同一性障害者」だということを知ります。解離性同一性障害というのは多重人格のことで、ひとりの人間に複数の人格が存在し、情況に応じて別個の人格が現れるという「心の病気」です。広志に出会い、その後、純也、卓也、タケシ、他2名とそれぞれ出会っていきます。

最初は好奇心で彼の誘いに乗っていましたが、少しずつその中のひとりである卓也に「恋心」を抱いていきます。あくまで同じ人間の一部の人格ですが、ひとりの男性として真剣な恋に落ちていきます。解離性同一性障害の原因は、幼少期における過度の虐待とされています。広志の過去に同情し、病気の治癒に協力するものの、卓也との別れは拒みたい・・・そんな純真で複雑な感情が、見事に人間らしく描かれています。

最初は「プリズム」というタイトルだけで読み始めましたが、今回も内容の厚さに驚かされました。参考文献の数を観ただけでもすごいです。また氏の作品はいつも感性に訴えてきます。まるで映画を観るように、ワクワク・ドキドキさせてくれます。そこが読者を惹きつける魅力なのでしょう。

さっそく次は「風の中のマリア」を読んでいます。

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