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2013年7月11日 (木)

「夢を売る男」百田尚樹

百田尚樹著の「夢を売る男」を読みました。本屋さんで中身を眺めると、出版業界を舞台にした小説でした。さすが百田氏ならでは・・・その内容に惹かれてすぐに買い求めました。

本誌に登場する丸栄出版は、印刷会社から出版業界に転身した会社です。その後発会社がここ近年急成長を遂げました。それは、出版社と著者が経費を折半して本を作る「ジョイントプレス」という戦略をとり、どんどん新本を出してきたからです。主人公の牛河原編集部長は、たくみな話術で著者を、「お金を使っても“自分の本”を出したい」という気持ちにさせていきます。

本の製作費を折半するといっても、現実には出版社に持ち出しはなく、そのうえに利益も生み出します。素人作家たちはうまく乗せられてその気になります。一見「だまし」のようにも見えますが、牛河原編集部長にはある信念がありました。それは、「本人は本が出せて幸せ」、「会社はしっかり仕事になる」、「本屋にとってもリスクなし」・・・つまり、ちゃんと『三方よし』の形になっている訳です。

様々な老若男女が登場し、その人たちの心理模様がリアルに描かれています。ある意味、ブラックユーモアあふれる小説です。そしてなんといっても牛河原さんの会話トークは、私たちビジネスマンにとってかなり勉強になります。営業トークからクレーム対応までとても見事な対応です。

物語の中で、作家である自分自身を中傷する文章が出てきます。そこも百田氏らしい作りです。これまでの二作に比べると軽い感じもしますが、出版業界の本音も知ることができて面白かったです。

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