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2013年6月 9日 (日)

ヒロシマ6(放射線被害)

原子爆弾の特徴は、通常の爆弾では起こらない大量の放射能が放出されたことです。放射線は人体の奥深くまで入り込み、細胞を破壊し、血液を変化させるとともに、骨髄などの造血機能を破壊し、肺や肝臓などの内臓を侵すなどの深刻な障害を引き起こしました。

爆発後1分以内に放射された初期放射線を受けた人は、致命的な影響を受け、数日のうちに死亡しました。また外傷はまったくなく、無傷と思われていた人々が、爆発後月日が経過してから発病し、死亡していった例も多いのです。原爆は、爆発後長期間にわたって残留放射線を地上に残しました。そのため救護活動に入った人々、肉親や同僚を探しに入った人々も、同じように発病し死亡していきました。

「わたしの遺書」~「あの日から21年が経って母親が亡くなりました。母は当時自宅で被爆しましたが、奇跡的に無事でした。最後は原爆病院に3年入院し、直接の死因は脳内出血でした。母が死んですぐ、ABCC(原爆傷害調査委員会)が花輪と香典を持ってきて、『医学の発展のため、お母さんの遺体を解剖させてください』としつこく迫りました。ABCCとは、原爆が人体にどんな被害をもたらしたのかを調査し、収集したデータを秘密裏にアメリカに持ち帰っていた機関です。たった1発の原爆のために、どれだけ多くの人間が殺されたか。どれだけ多くの人生が狂わせられたか。どれだけ多くの人々が原爆後遺症に苦しめられてきたか。救いの手を差し伸べる訳でもなく、自国の核戦争に備えて、被爆者をモルモット扱いにし、せっせと標本集めに奔走するアメリカに、心底怒りがこみ上げてきました。遺体を火葬したとき、驚いたことに骨がなかったのです。普通なら頭蓋骨、胸骨、手足とはっきり骨が残るはずです。放射能が骨を食いつくし、すかすかの骨になっていたのでした。原爆というやつは、大切なおふくろの骨の髄まで奪っていったのかと思うと、はらわたが煮えくり返りました」

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