「海賊とよばれた男」百田尚樹
「永遠のゼロ」に続いて、百田尚樹氏の2作品目を読みました。現在「本屋大賞」第1位に選ばれている「海賊とよばれた男」です。知人からも高い評価を聞いていたので、ワクワクしながら読み始めました。期待の何倍も上回る素晴らしい内容でした。
小説は「出光石油」の創業者である「出光佐三氏」をモデルにした実話です。物語は終戦当日から始まりました。「永遠のゼロ」が終戦で終わったので、この本はその続きを読んでいるかのように感じました。構成も少し変わっています。第1章が主人公の60歳から62歳まで、第2章が誕生から60歳まで、そして3章が62歳から68歳、4章が68歳から95歳まで・・・となっています。これも百田尚樹氏の演出のひとつでしょうか?
文章のいたるところで「男としての生き方、商売人としての考え方、企業のトップとしての使命、日本人としての誇り」などを読者に訴えてきます。さらに「明治の富国強兵政策から大陸時代~昭和の軍国主義から敗戦~戦後の復興から再び世界へ」といった状況を、詳しく教えてくれます。特に「太平洋戦争の意義はなんだったのか?何のために多くの命が犠牲になったのか?」ということを深く考えさせられました。おりしもこの本を読み終えたのが、広島の原爆資料館の視察と同じときでした。
私が小学校時代、日本は造船で世界一を誇っていました。その頃「日本が世界一の巨大タンカーを造った」というニュースを観て、すごく感動したことを覚えています。それが実は出光佐三氏の偉業だったんですね。自由主義経済の中で、大家族主義経営を貫き、社員を育て、消費者に喜ばれ、純粋に日本の発展に、彼は生涯心血を注がれました。上・下巻と長い小説ですが、これからの経営者・経営幹部は、ぜひ読まれたらいいと思います。
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