経営問答塾(3月の終わりに)
3月11日に起こった「東北関東大震災」、日本の歴史上これほどの大惨事があったでしょうか?東北の太平洋沿岸地域は、過去の三陸沖地震の経験を踏まえ、できるかぎりの対応処置をしてきました。にもかかわらず、想像を絶する早さと規模の大津波が、無残にも沿岸の広い地域を襲いました。被災された皆様に改めてご冥福とお見舞を申し上げます。
そして今もなお、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故が、復旧の目処が立たないまま現在に至っています。被災地の方々の苦労と不安を考えると本当に心が痛みます。今日までに緊急の支援物資や義援金を送ってきましたが、本当の援助はこれからだと思います。日本に生まれ育った一経営者として、できるかぎりお役に立ちたいと考えています。
さて、昨年10月から始まった「経営問答塾」という研修が今月18日に終了しました。講師は木野親之さんです。故松下幸之助氏の愛弟子として活躍され、84歳になられた今も若手経営者の指導に必死で取り組んでおられます。私たちは師から6ヵ月間「王道の経営」について学んできました。今月の最終講はまさに機を得た内容でありました。
「人にも会社にも生命力がある。個人も組織も理念を念じ続けることで生命力は上がるのだ。日本は絶対大丈夫、善の力がある限り必ずうまくいく。こんな時こそピンチをチャンスに切り替えるのだ。まず社長が一番元気になって、会社のもてる生命力を最大限に発揮することだ!」と力説されました。
この日私は「今の大惨事の中でトップはいかにあるべきか」という質問しました。木野先生は次のように答えられました。
「松下幸之助は終戦の荒廃の中でPHP運動を始めた。生かされているご恩、自分の人生をどう生きるか、そこから『世の中から“不幸”の2文字をなくす』という人生哲学が生まれた。情報に振り回されてはいけない。方法論に走ってはいけない。何を基準にするのか・・・それは経営理念である」
「心配してもしょうがないやないか?今は出たとこ勝負や。起こったことにどう対応するかが大事。一瞬一瞬を真剣に生きる、今はそれだけだ。未来はまだ来ない。明日はきっといい日になる。松下幸之助は常に現実を直視し、いつも大きなビジョンに向かっていた・・・」と。
明日4月1日は恒例の全社員集会です。トップとして堂々たる姿勢を示したいと思います。
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