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2011年3月31日 (木)

経営問答塾(3月の終わりに)

3月11日に起こった「東北関東大震災」、日本の歴史上これほどの大惨事があったでしょうか?東北の太平洋沿岸地域は、過去の三陸沖地震の経験を踏まえ、できるかぎりの対応処置をしてきました。にもかかわらず、想像を絶する早さと規模の大津波が、無残にも沿岸の広い地域を襲いました。被災された皆様に改めてご冥福とお見舞を申し上げます。

そして今もなお、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故が、復旧の目処が立たないまま現在に至っています。被災地の方々の苦労と不安を考えると本当に心が痛みます。今日までに緊急の支援物資や義援金を送ってきましたが、本当の援助はこれからだと思います。日本に生まれ育った一経営者として、できるかぎりお役に立ちたいと考えています。

さて、昨年10月から始まった「経営問答塾」という研修が今月18日に終了しました。講師は木野親之さんです。故松下幸之助氏の愛弟子として活躍され、84歳になられた今も若手経営者の指導に必死で取り組んでおられます。私たちは師から6ヵ月間「王道の経営」について学んできました。今月の最終講はまさに機を得た内容でありました。

「人にも会社にも生命力がある。個人も組織も理念を念じ続けることで生命力は上がるのだ。日本は絶対大丈夫、善の力がある限り必ずうまくいく。こんな時こそピンチをチャンスに切り替えるのだ。まず社長が一番元気になって、会社のもてる生命力を最大限に発揮することだ!」と力説されました。

この日私は「今の大惨事の中でトップはいかにあるべきか」という質問しました。木野先生は次のように答えられました。

「松下幸之助は終戦の荒廃の中でPHP運動を始めた。生かされているご恩、自分の人生をどう生きるか、そこから『世の中から“不幸”の2文字をなくす』という人生哲学が生まれた。情報に振り回されてはいけない。方法論に走ってはいけない。何を基準にするのか・・・それは経営理念である」

「心配してもしょうがないやないか?今は出たとこ勝負や。起こったことにどう対応するかが大事。一瞬一瞬を真剣に生きる、今はそれだけだ。未来はまだ来ない。明日はきっといい日になる。松下幸之助は常に現実を直視し、いつも大きなビジョンに向かっていた・・・」と。

明日4月1日は恒例の全社員集会です。トップとして堂々たる姿勢を示したいと思います。

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2011年3月27日 (日)

スウェーデンハウス引渡式

本日、金沢市でスウェーデンハウスの引渡しをさせていただきました。ご夫婦と3人のお子さんの5人で住まれる家です。今日の式典には、ご家族の他に両方のお母さんにも参加していただきました。

家づくりにおける「地鎮祭と引渡式は生涯に一度のこと」・・・私たちはそんな思いで取り組んでいます。それでひとりでも多くの方々に参加していただけますと、本当に嬉しいものです。先日の高岡市での地鎮祭にも、ご家族4世代にわたってご参加いただきました。

引渡式では、いつもいろんなサプライズがあります。スウェーデンハウスを決めるに至った経緯や、家が完成するまでにあったいろんなことをお聞きするたび、ご苦労や笑い話、偶然や感動など、素敵な思い出話に包まれます。それらすべてが私たちにはサプライズであり、幸せのプレゼントなのです。

今日もゆったりとした時間の中で、たくさんの素敵なお話を聞かせていただきました。ひと通り終わってひと足先に退席しようとした時、なんと5歳のご長男さんからプレゼントを渡されました。それは丸めた筒状の紙を色紙で飾ったものでした。中を広げると手紙でした。

「○○○より  おうちのおしごと がんばってくれて ありがとうございます♡」

5歳のご長男さんも二人の妹さんたちも、新しい家を本当に楽しみにされてたんですね。

“どうもありがとうございました!ハッピー!ユア・ホーム!”

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2011年3月22日 (火)

2011春の個人面談

恒例の「春の個人面談」が終わりました。初日に東北関東大地震が起こり多少の予定変更がありましたが、1週間かけて無事終えることができました。春の面談は通常「昇格・昇給」のことが主ですが、今回はひとり30分かけて経営理念に関することを話し合いました。

①自分のことをどれぐらい好きか?、②何のために仕事を頑張っているか?、③現在している業務は誰のためのものか?、④自分たちのお客様は誰か?、⑤自分たちの売っている商品は?・・・以上の5項目について全員に考えていただきました。

「自分を好き」という度合いは、「自分のことをどれだけ認めているか?」ということで、大きければ自信となり幸せの実感もあります。また周りにもいいエネルギーを与えます。実は当社の経営理念の根本となるものです。

そして現在の事業を原理原則から再確認していきました。「お客様の喜びや満足の量がその会社の利益である」という考え方です。「お客様が求めているものは?、期待していることは?」、そして「私たちがお客様に提供しているものは?」・・・それらのことを明確に認識することの大切さを話し合いました。

今回の面談を通して、やはり「経営理念の確立」が根本であることを実感した次第です。

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2011年3月 5日 (土)

宮端清次氏・講演会

先日、元はとバス社長の宮端清次氏の講演を聴きました。長年東京都庁で活躍された氏は、平成10年、倒産寸前のはとバス社長に就任されました。氏は「会社を潰したくなかったら耐えて欲しい」と訴え、徹底した顧客サービスを実現し、見事会社を再建されました。

社長就任当初は赤字の連続により、120億円の売り上げの中、借金が70億円というありさまでした。まず「再建の基本方針」として、①全社員の意識改革、②徹底した合理化、③サービスの向上、以上のの3つを掲げられました。ここまでは通常の内容ですが、そこから宮端氏のすさまじい行動が始まりました。

1.全社員の意識改革は、「トップが変わることが一番の近道」・・・ご自身が強い意志で変わられました。社長室をなくす、電車通勤、目安箱の設置などです。さらに組織の頂点に立つのではなく、組織を下から支える考え方をとり、土・日の朝は浜松町と東京駅に行き、すべてのバスで出発前の挨拶をされたそうです。

2.徹底した合理化は、4Sの実践でした。スリム(組織、コスト、借金)、セーフティ(お客様の安全・安心)、スペシャリティ(商品、サービス、技術)、スピーディー(変化の早さ)です。氏は「ならしかの実践だ」と言われました。つまり、お客様から「はとバスなら・・・」「はとバスしか・・・」を言ってもらうという意味です。

3.サービスの向上は、CS(顧客満足)からCD(顧客感動)へレベルアップすると話されました。社長自らがお客となって、すべてのコースを回られました。そこでお客様の生の声を聴き、良いも悪いもわかり、その原因がどこにあるのかもすべて認識できたそうです。

最も印象的だったのは「お客様の不満の7%しか、クレームとして上がってこない。現実にはその10倍以上の不満が存在する」という言葉でした。「ひとりの不満も絶対にあってはならない」という強い信念で、全社員が一丸となって商品とサービスの向上に取り組まれました。そうして初年度から黒字という快挙を、見事成し遂げられました。

講演の冒頭で次のように語られました。「43年の仕事人生を振り返って今思うこと・・・それは世の中は強いものが生き残るのではなく、変化に機敏に対応できるものが生き残る」と。実体験を通して話された言葉には、なんとも深い重みを感じました。

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