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2010年2月25日 (木)

ピートグレイ物語(2)

「左手だけでどうやって野球をするの?」・・・誰もが不思議に思います。彼は左手一本で球速に負けないよう、「重くて長いバット」を使いました。しかし、そのためにさらに強い左手の筋力を必要とします。ハンデキャップを克服するために、涙ぐましい訓練を続けてそれを身に付けたのです。

打撃にも増して大変だったのは守備でした。フライをとるときには、グローブを胸に押し当て、指と右腕の付け根を使ってグローブをはずし、右脇にかかえると同時に左手でボールをつかんで投球しました。ゴロの場合は、ボールを軽く空中にはね上げ、その間に右肩の付け根に挟んだグローブから左手をはずし、その手で投げ返したのです。

手を深くグローブに入れていたのでは、素早く抜くことができないので、わざわざ指の短いグローブを作って、手は半分しか入れてませんでした。しかも少しでも手の感触を良くし、手の出し入れを滑らかにするために、グローブの中の詰め物はほとんどなく、革だけに等しかったのです。ペチャンコで指の短いピートのグローブには、文字通り、汗と涙と血が染み込んでいました。

ヤンキースタジアムでの初試合の後、彼はインタビューで苦笑いしながら、次のように答えたそうです。「涙でボールが見えなかったよ・・・」と。ユーモアも素敵です!

後年、彼は故郷に帰り少年野球の指導や、障害者の支援をしながら、87才で生涯を閉じます。彼が亡くなる前、我々に残した言葉があります。

「私の子供の頃の夢は『ヤンキースタジアムで野球をする』ことでした。そしてその夢が叶ったことが、人生において最も素晴らしい出来事だったと思います。自分のような、身体に生涯を持つ者にとって、練習こそがすべてでした。でもたとえ練習しても自分にやってくるチャンスはわずかなものでした。

ある時次のように言われました。『両方の腕があっても野球は難しいのに、片腕で野球なんかできるわけがないだろう』と。それでもあきらめず、自分は常に夢に向かって練習してきました。

最後に私の好きな言葉を送ります。【A WINNER NEVER QUITS.】(勝利者は決してあきらめない)」  ピートグレイ

長い物語にお付き合い頂きありがとうございます。「こんなことってあるの!?」・・・やはりあるんですね。私たちがこれまで不可能と思ってきたことも、実はそうでなかったのかもしれません。「あきらめない!」・・・今の経営者にとって、最も必要な「言葉」かもしれません。

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