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2009年6月26日 (金)

鈴木修氏(3)カリスマ社長再び

インドで圧倒的なシェアをもつスズキですが、次のようないきさつがありました。1982年のある日、パキスタン出張中の社員から「インド政府が国民車構想のパートナーを募集」という報告を受けました。しかしすでに締め切りは過ぎていました。それを社長命令で、「セールスは断られたときからが勝負」とインド政府と掛け合い、ついに3回目にして補欠で認められたのです。

そののち、インド政府が日本へ調査団を送りました。鈴木社長は自ら宿泊先に出向いて、3時間以上話しこみました。そしてついにスズキが調印へとこぎつけました。インド政府の面々が「われわれと直接向かい合って、真剣に話を聞いてくれた社長は、ミスター・スズキだけでした。だから私たちは、もう一度浜松まで来ました」と言ってくれたのです。

鈴木社長は厳しいけれど、ユーモア感覚にも富んでいます。ひとつは『アルト』のネーミングです。もともとはイタリア語の「秀でた」という意味から取っていました。鈴木氏はどうもしっくりきていませんでした。そしてあるときパッとひらめいたのです。「あるときはレジャーに、あるときは通勤に、またあるときは買い物に使える、あると便利なクルマ。それがアルトです」と。さらに『ワゴンR』のときも「スズキにもセダンがある。セダンもあるけどワゴンもある。だからワゴンあーる(R)でいい」と。

鈴木氏はこの30年、がむしゃらに前だけを見て頑張ってこられました。成功は「ツキと出会いと運」だと謙虚に受け留めておられます。この本を読んで、私が受けた鈴木修社長の印象です。しっかりとした戦略の基で経営をされている、財務と計数にめっぽう強い、行動力と決断力とユーモアに富む、そしてなによりも情熱的である、信念を貫く強さがある・・・こんなところでしょうか。

世界不況に陥った昨年、さまざまな事情によって再び社長に就任されました。そのときの決意を最後に書いて、終わりにしたいと思います。

~「危機は常に社内にあり。このようなときこそ、おのれを見つめ直すチャンスです。苦境に立たされれば立たされるほど、ファイトがわいてくる。悔いや失敗の連続だったこれまでの私の経験と、そのときどきに抱いてきた素直な思いをつづることで、この最大の危機を乗り越える力としたい」~

またおひとり素晴らしい指導者を知ることができました。

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