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2009年6月26日 (金)

鈴木修氏(1)カリスマ社長登場

昨年末、ある機械業界の方から、「スズキの会長がもう一度社長に戻って陣頭指揮を執っている。あのトヨタに『スズキを見習え』と言わせるほどの凄い人だ」と聞いたことがありました。スズキと言えば、軽自動車のトップメーカー、「小さなクルマ~大きな未来」という素敵なキャッチ、インドでは一番の日本ブランド・・・というイメージです。そんな凄い経営者がいたことを初めて知りました。

2週間前に、鈴木修氏ご本人が本を書かれたことを知り、すぐに買い求めました。タイトルは『俺は、中小企業のおやじ』(日本経済新聞出版社)です。やはり最初で最後の一作だそうです。

修氏はスズキ(自動車)の4代目社長です。1958年に婿養子としてスズキに入社、その後部長、常務、専務を経て、1978年に社長に就任されました。当時3232億円だった売上が、現在ではなんと10倍の3兆円に成長しました。しかし今もなお「スズキは中小企業」と言うところがまさに凄いです。

「大企業という物差しが昔と今では違う。昔は歴史や資本金、売上や社員数で大小を計ったが、現在は業界シェアがナンバー1かどうか、つまり自社がプライスリーダーであるかどうかだ」と鈴木氏は書いておられます。だから「どんな小さな市場でもいいからナンバー1になって、社員に誇りを持たせたい」という強い思いがいつもありました。

まさにランチェスター・弱者の発想ですね。軽自動車の業界では名実ともにナンバー1だと思いますが、それでも中小企業と言っておられる・・・おそらく1975年、排ガス規制の「新型エンジンの開発失敗」の教訓からきているのだろうと思います。

本の最後に次のように書かれていました。「100年に一度といわれる急激な経営環境の変化に直面している今、私が先頭に立ってやるしかない。この30年右肩上がりで伸びてきたため、社内は安泰ムードが染みわたっている。こういう事態を招いた自分自身が立て直していくしかない」と。

「原因は我にあり」・・・なんともカッコイイですね。それでは鈴木氏の生きざまに迫ってみることにします。

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