« 北京視察(その1) | トップページ | ひと言の思いやり(1) »

2008年10月22日 (水)

ひと言の思いやり(2)

金平氏は本の中で、人々が集まるところを「○○の風景」と表現されておられます。例えば「職員室の風景」、「ベンチの風景」といったように。企業では「社風」がいい、悪いという言われ方をします。わかったような、わからないような・・・そんな感覚でした。それを、朝礼の風景、会議の風景、現場の風景・・・と考えたら、なぜかピッタリはまりました。不思議です。

本の中に、いたく感動した文章がありました。著作権を気にせず載せたいと思います。

~たった一人の卒業式の話を聞いた。

「彼女は中学3年生だった。家庭の事情が複雑。毎日荒れていた。そしてついに事件を起こした。やむなく施設に預けられた。
でも担任と生徒指導の先生はあきらめなかった。施設まで2時間半、毎週励ましに通った。
通って二人は驚いた。会うたびに明るく素直になっていく彼女・・・考えられるのは『規則正しい生活とバランスのよい食事』だけ。先生方はあらためて『食育』の大切さを痛感した。
彼女は出所できず、卒業式に間に合わなかった。4月6日。校長室で一人だけの卒業式をするはずだった。
でも先生全員が立ち上がった。『生涯最後の機会。ほかの子と同じようにしてあげよう』と。
当日、体育館には紅白の幕。ブラスバンドの演奏で、彼女と母親が入場した。全教職員が起立した。直前に離任した校長先生が、自ら卒業証書を渡し、式辞を述べた。
『蛍の光』を背に、母と娘は会場をあとにした。参加者全員が、涙、涙、涙の卒業式だった」

実はこの学校は、以前に訪れたことがある。そのとき「職員室の風景」に魅せられた。先生たちがみんな明るく仲がよい。伸び伸びしている。こんな風景のよい職員室だからこそ、生まれた卒業式だと、私は思う。~

黒柳朝さんの言葉、「すてきなものは、みんなタダなの。笑顔も優しい心も・・・」。そうなんです。笑顔も笑いもユーモアも。それから、優しさ、思いやり、謙虚、感謝・・・みんなタダなのです。

時代がどれだけ移り変わっても、決して変わらないもの・・・それは、すべての人が美しいと感ずる心・・・タダだけど、お金では買えない・・・そのように感じました。会社の代表として、あらゆる場面で「風景のいい職場」を、ぜひ創り上げていきたいと思います。

|

« 北京視察(その1) | トップページ | ひと言の思いやり(1) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。