変人経営
今週、岡山でブライダル事業をされてる(有)マグリット社長の羽原俊秀氏の講演をお聞きしました。当日参加するまでは、「変人経営」というタイトルが異色に感じていました。講演の最初に羽原氏は「変人経営です。変態ではありません」と言われてましたが、お話を聞いていくうちにその心意気が理解できていきました。
広辞苑で「変人」とひくと「一風変わった人。変わり者」と出てきます。羽原氏の考えは「変人とは、自分・会社・世の中・流れ・見方・価値観・常識などを変えられる人」・・・なんだそうです。歴史上の人物で、坂本竜馬や本田宗一郎、トーマス・エジソンやウォルト・ディズニーなどの名前を挙げておられました。確かに彼らは変人と言われましたが、のちに世の中に大きく貢献された方々ばかりです。
羽原氏は1962年生まれの46歳です。19年前に祖父の代から続く「老舗旅館・石山花壇」に入社され、そこから苦難の経営再建が始まりました。当時の状態です。12億円もの大きな借金、債務超過4億5000万円、老朽化した建物、平均年齢56歳という封建体質・・・などなど。その中で必死で頑張ったものの、後に阪神大震災~交通遮断による観光客の激減、メイン銀行・サブ銀行の相次ぐ破綻などの追い討ちを受け、最悪の状況に陥っていきました。
ある時、羽原氏は「まだ世間ではあまりない、本格的なウェディングを始めたい」と思い立ちました。周囲からは猛烈な反対です。それでも己を信じて挑戦していきました。当然のことですが、資金はないから会場は畳敷きの大広間・・・設営、備品、演出のすべてが手づくりでした。しかしそこには羽原社長と一部の社員の「夢と勇気と情熱」がありました。そして彼らの「まごころ」が本物のサービスとなって、お客様の口コミで広がっていったのです。
初年度の結婚式の売上は370万円、20組すらありませんでした。ところがそれから加速度的に成長を始めたのです。現在では年間350組に伸び、売上もなんと当初の216倍、8億円へと成長しました。専門家に言わせるとまさに“奇跡”だそうです。岡山ではブライダルの最後発でしたが、今では競合50社の中で顧客満足度・第1位とのことです。さらに自社の再建にとどまらず、全国のホテルや式場の「企業再生」を、広く手がけておられます。
経営理念は『グッド・インパクト!』・・・【思わずすごい!と言ってしまうような衝撃的で価値のあること】・・・という意味だそうです。しっかりとイメージできる素晴らしい理念です。また商品理念は『本物であり続ける』・・・【本質を踏まえ、常識を変え、ウソはなく、長期的であり、革新的であり、本物のパーティー文化を創る】・・・まさに次々とすごい商品が生まれそうですね。
最後にマグリットの変人経営3ヶ条を紹介します。
1.誰もが思う「当たり前のこと」を、別の角度から真剣に取り組む
1.誰もがやらなかった「前例のないこと」に本気で挑戦する
1.誰もがあきらめていることに正面から体当たりする
以上です。
羽原社長は先月12月に、「マグリット岡山」に続く未来戦略の第一弾として、直営店「ディスティーノ金沢」をオープンされました。講演の中で映像を紹介していただきましたが、とても進歩的なデザインの建物になっていました。どんな「グッド・インパクト!」が演出されるのか?・・・将来訪れるであろう機会を楽しみにしています。
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