抜く技術
音楽が好きな私は、今でもテレビやラジオから流れる新曲には耳を立てています。最近好きになった曲の中でアンジェラ・アキの「キス・ミー・グッバイ」があります。歌詞の内容もメロディラインもよくありそうな曲ですが、実は彼女の歌い方に感動したのです。声量も音域も十分あるのに、盛り上げのサビのところであえて力を抜いて歌っています。その微妙な感覚が私の心にぐっと訴えかけてくるのです。
現在、上原春男氏著の「抜く技術」という本を読んでいます。上原氏は「『抜く』という技術や発想は芸術からビジネスまで広く応用されている。例えば剣道の達人はすべての力みが消え完璧なほどスキがない。絵画なども余分な色や線を抜くことで芸術性が高まる。また本当に凄い人はムダな力が抜け、偉ぶらず、相手に緊張感も与えない・・・」と書いています。
私も若い頃は「人からよく見られたい」ために力みが入っていたり、人との会話で間が空くのを恐れ、どんどん話をはさんだりしていました。逆にそれらの注意を受けました。「スキを見せないように・・」とつっぱっていて、実はスキだらけだったんですね。そんな私も年齢とともに徐々に飾りを捨て、自分をそのまま出せるようになってきました。やっぱり自然体が一番ですね!
| 固定リンク
« 西郷隆盛 | トップページ | 土地神話崩壊その1 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント